理系院卒のネットワークなブログ

意外なところに「つながり」ってありますよね

研究発表での「詳細は割愛します」ってネガティブワードだと思う

はじめに

 修士論文の中間発表会がありました。大学院生活が残り半分に差し掛かるということで、今までの研究をまとめて学科の先生方の前で発表しました。一番何に苦労したかというと、「中間」ということもあって、プレゼンの時間が8分と短めだったことです。

 今までいろいろな研究をしてきましたので、全部を8分にまとめるのは至難の業です。そこでどうしても、トピックや説明を絞る必要があります。詰め込み切れなかった事柄については「時間の都合上、詳細は割愛します」というフレーズで省略するつもりでプレゼンを作っていました。

 しかし、発表の練習をしているときに、友達に言われたのです。「詳細を割愛する」って言うところ多いよね、と。友達がそう言うからには、よほど印象に残ってしまったのでしょう。省略して印象を残さないようにするつもりが、逆に相手の注意をひいてしまったようです。「これってまずいことなのかもしれない」。そう思ったのです。

言い方に気をつけるべき

 考えてみれば、「時間の都合上、詳細は割愛します」って、どちらかと言えばネガティブなワードだと思うのです。この言葉単体で見れば大したことないように聞こえるのですが、相手に伝えようとする努力を放棄してしまっているかのような印象を受けます。

 たとえば、僕はA、B、Cの3つの研究を進めてきたとします。

「AとBは時間の都合上詳細を割愛し、Cの研究のみを紹介します。」

「A、B、Cの中で、最新のCの研究の成果を紹介します。」

これは下の方が断然ポジティブだと思いませんか。それに、研究というのは小さなステップを踏んでいくものですから、たいていはAとBの研究を踏まえてCがあるものです。

「A、B、の内容を踏まえて取り組んだCの研究の成果を紹介します」

 こんな感じで、AとBは省略するのではなく、AとBがあったからこそできたCの研究内容を紹介する、というニュアンスを示した方がいいですよね。研究が着実に進展しているよ、ということを伝えることができます。

 上の表現、あんまりネガティブに感じないですか?ではこちらの例はどうでしょうか。

「調査を行いました。詳細は割愛しますが、結果はこのようになっています。」

アルゴリズムXを開発しました。詳細は割愛しますが、課題Yが解決されました。」

 こんな言い方をする人はいないかもしれませんが、非常にネガティブですよね。最悪の場合「何かを隠しているのでは」と受け取られてしまいます。

ネガティブなワードのインパク

 細かい話かもしれませんが、プレゼンという場においては、ネガティブなワードがかなり際立って聞こえてしまうものだと僕は思っています。なるべくネガティブな言い回しを排したプレゼンを心掛けるべきではないでしょうか。

 僕の大学の学内発表は、同じ専攻に属す研究室が合同で行います。ある研究室では画像処理を、ある研究室では無線通信を、またある研究室では言語処理を専門にしています。近いけど遠い。そんな人たちが集まるときは、研究の内容で勝負しにくいです。専門家を相手にするわけではないですから。

 そうすると、評価はどうしても減点方式になってしまいがち。ネガティブな要素に否が応でも目がいってしまう。だからこちらとしても、ネガティブな印象をあたえることは極力避けたほうがいいのではないかと思います。

終わりに

 「詳細は割愛します」。この言葉はポジティブな言葉ではありません。言い方もしくは受け取り方によってはネガティブな要素になり得るはずです。なるべくこの言葉を使わないプレゼン構成と考えてみませんか。

 

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