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理系院卒のネットワークなブログ

意外なところに「つながり」ってありますよね

Niantic社長がニコニコ超会議を絶賛していた話

ゲーム

 ニコニコ超会議2016に行ってきました。印象的なコンテンツが幾つかありましたが、Niantic社長のジョン・ハンケさんとシーマンを開発した斎藤由多加さんの対談が非常に面白かったです。

ポジティブなエネルギー

 NianticはGoogle mapを作ったチームがスピンアウトしてできた会社です。位置情報ゲームIngressを開発・運営しています。現実とデジタルの世界の狭間に立つゲームという娯楽がこれからどうなっていくのか、特に最近成長が目まぐるしいVR(仮想現実)およびAR(拡張現実)との関わりはどうなるのかというテーマが話し合われていました。

 ハンケさんがニコニコ超会議を非常に高く評価していたことが、僕の中で強く印象に残っています。普段ネットで繋がっている人たちをこうやって集めたら、ものすごく大きくてポジティブなエネルギーが生まれている。本当にすごいことだと言っていました。ドワンゴ会長の川上さんもその場にいたので、「アメリカでも超会議をやってくれ」なんていう冗談なんだか本気なんだか分からないような発言までしていました。

 いくらVRが現実に近い体験を提供できたとしても、当然実際に人が集まることによるエネルギーは生み出せません。どちらが優れているのかという話ではなくて、ネットの時代だからこそ人がリアルに集まるイベントも必要だよなあと考えながら聞いていました。

 また、ハンケさんはSONYPlayStation VRで遊んだと言っていました。体験してみた感想は、「あれは良すぎる(too good)」だったそうです。素晴らしい没入感を味わえた一方で、これで現実世界が豊かになるんだっけ、という疑問も口にしていました。確かに、VRのクオリティが高くなればなるほど、現実の世界に戻ってこれなくなってしまうなあと思いながら聞いていました。

ただ集まればいいのではなく

 ハンケさんも斎藤さんニコニコ超会議に来るのは今回が初めてだったそうです。そして実は僕も初めてでした。僕はニコニコ動画にどっぷり浸かっている人でもないので、かなり新鮮な体験でした。オタッキーな空間なんだろうなと思っていたのですが、それは偏見だったなと思い直しました。子供連れがけっこう目についたのも驚きでした。

 その一方で情熱を持ってイベントに参加したり、コスプレをしている人もたくさんいました。所狭しと詰め込まれたコンテンツはどれもぶっ飛んでいました。あんなものをごちゃごちゃと集めて、よくひとつのイベントとして機能しているなと感心してしまうほどでした。ハンケさんの言うポジティブなエネルギーは、僕もビシビシと体感していました。

 しかし、ただ人を集めればいいのかというと、そうではないと思います。会場の写真を撮影して「オタクたちが盛り上がっています」なんていう報道の仕方をしても全然だめでしょう。

 あのイベントがあれだけ盛り上がっているのは、ネットを母体にしているからなのではないかと思います。普段ネット上でコツコツ積み上げられてきた爆薬のようなものが、この2日間のために幕張に集められ、どかーんと爆発している感じでした。ハンケさんがどこまで理解しているかはわかりませんでしたが、ニコニコ動画あってのニコニコ超会議です。ネット上の文化を知らないと真に楽しむことはできません。

 ただ単に、ネットから飛び出したリアルイベントという切り取り方は短絡的だなと思うのです。普段ネットで共有しているコンテンツをひとつの空間で共有した時、どんなものが面白いのか。普段は画面越しにコミュニケーションしている相手が目の前にいるとき、人はどんな気持ちになるのか。そんなところまで深く考えられている気がしました。

また来年

 VRについてちょっと否定的な記述が多くなってしまいましたが、VRが嫌いなわけではありません。使い方によってはものすごく楽しくて有用な技術になるでしょう。体験はしていないですが、超会議でもVRを使った様々なブースが出ていました。

 一方で、あの暑苦しくて騒がしい幕張メッセで繰り広げられる興味深い対談を、僕は場を構成するひとつの要素になって聞いていました。ときどき後ろのブースの歓声が邪魔になったりしたのですが、それもまたあの空間だからこその体験なんだよなあと思いました。画面を走るコメントを見て、この対談を見ている人が他にもたくさんいることを感じながら、僕はあの空間を楽しんでいました。

 ニコニコ超会議が作っているネットとリアルの不思議な関係性を僕はまだまだ全然理解していないでしょう。それでも、すごく楽しかったし、また来年も参加したいなと思わされるイベントでした。何らかの形で関わったみなさん、お疲れ様でした。

 

 

 

 

 そのほか、ゲームについて考えたこと。

 

 

ニコニコ哲学-川上量生の胸のうち

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