理系院卒のネットワークなブログ

意外なところに「つながり」ってありますよね

PvPアプリゲーム(クラロワ・シャドバ)のヒットから考えるこれからのゲーム

 最近、クラッシュロワイヤルとシャドウバースというスマホゲームにハマっています(もちろんPokémon GOもやっていますが)。僕の観測範囲の中ではなかなか流行っているこの2つのゲームに、僕はなんとなく時代の潮流を感じます。スマホゲームが今後どうなっていくのか、少し考えてみたいと思います。

簡単にゲーム紹介

 クラッシュロワイヤルを簡単に説明すると、兵士を召喚して敵の城を落としあう1対1のリアルタイム戦略シミュレーションゲームとでも言えるでしょうか。Supercell社が開発し、世界中で驚異的な売り上げを誇っています。

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https://play.google.com/store/apps/details?id=com.supercell.clashroyale&hl=ja

 

 一方、シャドウバースは1対1のカードゲームです。遊戯王を少しシンプルにしたものだと僕は捉えています。Cygamesが開発しました。

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https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.cygames.Shadowverse&hl=ja

 

勢いに乗るPvPゲーム

 これら2つのゲームはどちらもPvP(Player vs Player)型のゲームです。同時刻にアプリを開いている二人のプレイヤーがランダムに選ばれ、対戦を行っていきます。ひと昔前のアプリゲームのスタイルは「与えられたクエストをクリアしていく」形式が多かったので、日本人にとっては少しなじみの薄いゲーム形式ではないでしょうか。 

 僕が最初クラッシュロワイヤルを開いたときは衝撃を受けました。PvPゲームをやるのだから、十分な練習を積んでから本番に挑戦させるものだと思いきや、少しのチュートリアルが終わるともうすぐに実践投入。ガンガン他人と戦わせるのです。このスピード感はすごいなと思いました。

 クラッシュロワイヤルはPvPがすべてであり、四の五の言わずに人と戦えと言わんばかりのゲーム設計がなされています。見てくださいこのホーム画面。でかでかと光るバトルのボタン。

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 頑強なサーバと世界中にいるたくさんのプレイヤーたちのおかげで、バトルボタンを押したら一瞬で相手が見つかり、戦いに突入してしまうこのゲーム。1試合は長くても4分。どんどん他人と殴りあうことになります。

なぜPvPが流行るのか

 PvPで負けるとものすごく悔しいのです。個人的にはクエスト型のゲームの比じゃないぐらいに悔しい。相手が自分と同じ生身の人間であり、対等な条件で真剣に戦った結果、自分の力が及ばなくて負ける。身もだえするほどの悔しさを味わいます。

 運営側はこの悔しさを課金につなげるわけです。負けた悔しさで頭がヒートアップし、思わず勢いで課金してしまう。そんな人が多いのではないかと思います。もちろん、課金すればしただけ強くなってしまうようでは、札束で殴りあうだけのゲームになってしまいますから、その辺のさじ加減は課金設計者の腕の見せ所です。

 他人よりも優れた自分でいたい。それはおそらく人間の根源的な欲求だと思います。PvPのゲームは1対1で戦うので、その欲求が直接的にくすぐられます。勝てば目の前のコイツよりも優れていることが証明されるわけですからね。

 日本ではPvPのゲームがマスに大ヒットすることはありませんでした。パズドラやモンストは仲間との協力要素はあるにしても、プレイヤー同士が直接戦うものではありません。

 海外を中心に展開してきたPvPのゲームが日本にもじんわりと浸透してきて、主に若い世代を中心に認知度を増しているように思います。ヒットタイトルが続々と生まれたことに加えて、端末の高スペック化が進み、より高度な遊びがスマホ上で展開されるようになってきたのが原因ではないかなと考えております。

ゲーム機との関係

 スマホ上で動くPvPゲームはリッチさを増してきています。しかし現在、格闘ゲームのような素早い入力を伴うゲームにはまだまだ対応しきれていません。クラッシュロワイヤルは兵士を召喚する場所を選んだら、あとは傍観するだけで、操作を加えることはできないのです。

 格安スマホとの二極化の動きはあるものの、スマホに搭載されるCPUパワーは上昇の一途をたどっています。いずれ、格闘ゲームFPSのようなジャンルにも対応できるだけの端末が登場するでしょう。流行るかどうかは別にして、技術的には可能になるはずです。

 そうなったとき、ゲーム専用機の立場はどうなるでしょうか。もはや、スマホ上で遊べないゲームはない、という状態になる日が来たとき、立場が危うくなってしまうのではないでしょうか。ゲーム専用機のスマホに対する優位性として僕が思いつくのは、物理ボタンと大画面ぐらい。DS系統の2画面というのは今考えればイノベーションですよね。2画面を持つスマホもありますが変態扱いされていますから。

 結局、ゲーム会社が専用機でしかソフトウェアを開発しないからハードを買うしかないという、なんとも不健全な状態になってしまう可能性があると考えています。それを防ぐためにも、ハードウェアの革新が期待されるところです。

ゲーム専用機の今後

 今後ゲーム専用機がクリアしなければならない課題は、スマホでは実現できない遊びを提供することでしょう。その1つの動きがVRだと思います。VR体験はスマホではどうあがいても実現できない遊びです。

 一方、スマホゲーム側としても、単純にゲーム専用機の後追いを続けていても面白くありません。スマホコールオブデューティができるようになったとして驚きはあるかもしれませんが、小さい画面でプレイすることが本当に楽しい体験になるかは怪しいです。

 だから、スマホ側もゲーム専用機にはできないことを模索していく必要があるのではないかと思います。その方向性の1つを、Pokémon GOは示してくれたのではないでしょうか。

 スマホは誰もがひとり1台、ポケットにいれて持ち歩くものです。家に置きっぱなしになりがちなゲーム機とはまったく違う特性を持っている。だから、歩き回ってポケモンを捕まえるPokémon GOのようなゲームはスマホ上でしか実現しえないゲームなのだと思います。

 つまりここで展開してきた論をごく簡単にまとめると、ハードウェアの特徴を生かしたソフトウェア開発をすべきだという当たり前の結論にしかなりません。しかし、手元ばかり見ているとそういう一歩引いた目線を忘れがちになるのではないでしょうか。

 任天堂だけでなく、Appleが得意な手法ですよね。ゲームだけでなく、どんな分野にも言えることだと思います。今日はここまでです。

 

  そのほか、ゲームについて考えたこと。

 

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