理系院卒のネットワークなブログ

意外なところに「つながり」ってありますよね

世界は誰かの企画でできている  

 しばらくの間ゲームの開発に携わっていたのですが、グッズの商品企画の部署に異動しました。どんなキャラを起用してどんな商品を作るのか、自分で考えてメーカーさんと協力しながら作り上げる仕事です。

 ゲーム会社のメインストリームの仕事ではないですが、ゲームの世界観の素晴らしさを形に残るモノとしてこの世に生み出すことはとても楽しいです。自分で考えて実行したことの結果がダイレクトに数字で跳ね返ってくる仕事です。商品が売れれば自分の評価に直結しますし、売れなかったときは言い訳ができません。

 毎回新しいもの、面白いものを提供していかねばなりません。仕事をしていないときも、常に次の商品のネタを探し求める毎日です。興味のないものの中にもヒントが眠っているかもしれません。

あれもこれも誰かの企画

 この部署に移ってから、街の景色が違って見えてきました。新しい商品のネタが埋まっている宝の山であると同時に、僕と同じように戦っている企画職の方々の血と涙の結晶の展示会だなと思うようになりました。

 この世界は、誰かが悩んで悩んで悩んで生み出されたもので溢れています。牛丼屋の新メニューも、アイドルを起用したコンビニのキャンペーンも、ソーシャルゲームのイベントも、何もかもが誰かがひねり出した”企画”です。僕と同じように毎日必死でネタ探しをして、なんとか実現までこぎつけた企画に囲まれて、僕らは生きているのです。

 

 企画をする人は目立つスターではありません。プロ野球選手でも医者でもミュージシャンでもなく、サラリーマンであることが多いです。不勉強だったので学生のころ「企画職」という単語を聞いたときに、それが何を指しているのかイマイチ掴めませんでした。自分自身で企画の仕事をするようになってようやく、企画職とはどんなことをする職種なのか、どんな面白さがあるのかわかってきました。

 まだこの世にないものが、人の頭の中からにょきっと出てくること。当たり前のように見えて、これは実はすごいことなのだなと認識を改めました。素敵な企画を目にすると、こんなことをよく思いついたものだと畏敬の念を抱くようになりました。

 見たことも聞いたこともないアイディアを生み出すという行為は、きわめて人間的な活動だなと思いせんか。企画をする前は何もないのです。全くのゼロから、イチが生み出される神秘。なんと単純で、なんと奥深い仕事なのでしょうか。

今日も明日も悩む

 自分で企画を担当してみると、楽しいと同時に恐ろしく苦しい作業でもあることを知りました。採用される企画の裏には、その10倍ぐらいの没案が沈んでいることがザラです。いざ採用されたとしても、この内容で本当に良いのだろうかという産みの苦しみと戦い、実施した結果が悪ければ自責の念で押しつぶされそうになります。

 いまはSNSで数多くの赤の他人の心の声を検索できるようになりました。自分の企画に対する反応を、よりダイレクトに聞ける時代です。結果が悪くても、自分の企画意図がずばり刺さったたった1つのツイートだけで、救われることもあります。(なのでエゴサで引っかかるようにつぶやいてくれると本当にありがたいです...)

 世界は誰かの企画ででてきています。今日も明日も全力で悩み、この世に新しいものを生み出していこうと思います。

 

 

けっこう前なのですが感動した企画はこれですかね。スプラトゥーンというゲームそのものもすごい企画ですし、バーチャルアイドルがライブを行うという企画もすごかったです。

 

  

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