理系院卒のネットワークなブログ

意外なところに「つながり」ってありますよね

インスタ映えのために川越観光に行った話

 友人に誘われて川越へ観光に行ってきました。旅の目的はインスタ映えをすること。僕はインスタを眺めるだけの人間なので、インスタ映えをするために何かをするという行動原理が理解できず、とても刺激的な旅になりました。インスタが消費をドライブする様を直接見ることができて楽しかったです。

 インスタ映えの文化を馬鹿にするつもりは一切ありません。僕には全くない視点なのでとても面白かったです。思考回路が自分と違いすぎて、斜に構えたような書き方になってしまうかもしれないのですが、なるべくフラットに書きたいと思っています。

旅行の準備、下調べ

 川越に行きたい!と思ったのはインスタに流れてきた写真を見たときだと友人は言っていました。「#川越」とついた「イイ感じに映えてる」写真だったそうです。自分も川越にいって「映えたい」というのが最初の動機。

 道中でどこに立ち寄るか、ランチをどこでとるかもハッシュタグを辿りながら調べたと言っていました。Twitterの検索を僕はよく使うので、ググらずにユーザのリアルタイムの声を拾っていくのは理解ができます。ただ、最終的に選ぶ基準は映えるかどうかで、その感覚は僕にはありません。いまもあまり理解できていません。

 大まかな旅程としては、JR川越駅まで電車で行き、徒歩で川越氷川神社までの道をぶらぶら楽しむというものになりました。

氷川神社インスタ映えするおみくじ

 川越氷川神社が目的地の1つになぜ選ばれたかと言えば、当然インスタ映えするからですね。おみくじが鯛の形をしたおもちゃの中に入っていて、参拝者はそれを釣りあげます。手で取るとご利益がありません。こうやって釣りあげている写真が映えるそうです。

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 詳しいことはわからなかったのですが、氷川神社インスタ映えを狙ってこのおみくじを設置しているのかと言えば答えはノーなのではないでしょうか。何らかの宗教上の理由があってこの形のおみくじになっているはずです。

 仕掛け人が裏にいるわけではなく、ユーザがインスタにアップした写真から勝手に火がついてお客さんが増える。いまや当たり前となった事象ですが、面白い時代になったものですよね。

芋チップス:食べ歩きでインスタ映え

 これは芋チップス。イモを薄くきって油で揚げたものです。何の変哲もありません。500円です。1時間も並んで買いました。びっくりするぐらいの大行列でした。

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 なぜ人気があるかと言えば、上の写真をみんながインスタにアップするからだそうです。もちろんおいしいのですが、味はご想像の通りで、驚くものではありません。顔が隠れるぐらいの大きな芋チップスだよ、という写真。それがただの芋チップスに大行列を作らせます。

 インスタ映えするかどうかが基準なのです。消費行動のドライビングフォース。そして買ったお客さんがまた新しい広告媒体になり、経済が動いていきます。

この旅行で得た宿題

 今更ながらインスタ映えに対して首をかしげていることも、今更ながらそれをブログに書いてしまうことも、僕に自分の老いを自覚させます。ただ、実際に体験できただけまだマシでしょう。友人には感謝です。

 「インスタを研究せよ!」ということではないと僕は思っています。SNSには流行り廃りがあります。大事なのはユーザが情報の発信者になる時代であるということ。インスタが廃れようと、この流れは不可逆だと思っています。氷川神社がインスタの公式アカウントを開設したところで、宣伝効果はたかがしれています。一般のユーザが少しずつ写真をアップしたから、あれだけの混雑を生んでいるのです。

 ユーザが情報の発信者になってくれるように仕向けるにはどうしたらよいか。それがこの旅行でもらった宿題なのかなと思っています。

 

 

他に最近刺激を受けたのは、仕事で行ったベトナムです。