ネタバレなしで書きます。面白そうだと思ったらぜひプレイしてみてください。Switch版とPS4判が発売されています。
会社の偉い人が、「予想外に面白かった」と評していたのでプレイしてみることにしたのですが、僕も予想外にハマってしまったので感想を書こうと思います。とてもよくできたゲームでした。
マインクラフトをプレイしたことがなかったので、ゲーム会社の人間として一度はこのシステムを体験しておかねばならないなと思っていました。ドラクエに強い思い入れはなく、ナンバリングタイトルや派生タイトルをぽつぽつとクリアしている程度でしたが、とても楽しめました。
ストーリーが良かった
まずは何といってもストーリーが予想外に面白かったです。ゲームシステムが独特で、ドラクエ本体のRPGでもなく、普通のアクションゲームでもないという特殊な立ち位置なので、ストーリーには力が入っていないのではないかと高を括っていました。
チュートリアルが終わってすぐに、「んん?これはどういうことだ?」と気になる展開が出てきて、その謎を上手く引っ張っていき、最後の最後で綺麗に風呂敷をたたむことに成功しています。突拍子もない展開があるというわけではないのですが、とにかく見せ方が上手でした。
作ることと壊すことという二項対立をすべての基軸に置き、主人公と相棒の”バディもの”のストーリーにまとめあげています。わかりやすいのですが単純ではなく、感情にも訴えかけやすい物語でした。
子供プレイヤーへの目線
マインクラフトは小中学生にかなり受けていると聞きます。ドラクエビルダーズもメインターゲットは子供なのかなとプレイしながら考えていました。
上で書いたストーリーは、膝をかがめて子供に目線を合わせて語るがごとく、よくかみ砕かれた表現で展開されていきます。「君たちお子様を置いてけぼりにはしないよ」という雰囲気が感じられました。
チュートリアルや誘導がとても丁寧で、しつこいぐらいに次に行うことの確認を出してきます。小学生ぐらいでも迷わずにプレイできるはずです。最近のゲームは昔よりも丁寧になりましたよね。誘導がしつこすぎて不快になることすらあるのですが、このゲームは不思議と不快には思いませんでした。その辺の塩梅は、ゲーム開発職人の絶妙の匙加減なのでしょうね。
ビルダーズならではの冒険
マインクラフトがベースなので、ベース部分はこのゲームではなくマインクラフトの開発者をほめるべきなのでしょう。初めてプレイしたので感動しました。このサンドボックスというゲームシステムは天才的ですね。建造物をゼロから作り出す快感は他に例えようがありません。
このシステムを、ドラゴンクエストの剣と魔法と冒険の世界に上手く落とし込めているのが素晴らしいと感じました。襲い来る魔物を倒しながら、未知なる大地を冒険するというドラクエの根源にある体験を、このシステムの上で再構築しています。
オープンワールドと言ってもよいのでしょうか。ゼルダの伝説BoWと同じように、山があったら登りたくなるゲームでした。しかも、めんどくさくなったら山を破壊しても良いというのが、実はBoWを超える自由度なのかもしれません。
ドラクエの世界観への愛
ドラクエの過去作の要素がたっぷりと詰まっていて、開発者のドラクエへの愛を感じられるゲームでした。当時世代だった人にはたまらないのではないでしょうか。
ドラクエの正史とつながりを持たせつつ、齟齬が出ないような世界観を構築するというなかなか難しいことを上手くやっているのだなという風に見えました。詳しい人はいろいろと深読みしながらストーリーを楽しめるのではないかと思います。もちろん、ドラクエをやったことがない人も、起きている事象をありのままに見つめて進めば、十分に感動する結末が待っているはずです。
宿屋を作ったり、酒場を作ったりと、ドラクエの世界のものを作っていくのは楽しい体験でした。BGMもほとんどすべて過去作のものを使っていて、名曲のオンパレードです。魔物に対する目線など、とにかくいろいろなところからドラクエへの愛が伝わってくるゲームでした。
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そのほか、ゲームのこと。