理系院卒のネットワークなブログ

意外なところに「つながり」ってありますよね

制御工学のレポートでこたつの制御を考えた結果・・・

大学院で制御工学の講義を受けました。
その中で、自分が制御したい対象を一つ選び、特性を調べてモデルを設計するというレポートが出ました。

身近なお題のほうが面白いだろうと考えました。
あれこれ悩んだ結果「こたつの温度制御」が面白いのではないかと思い、モデルを考えて見ました。
こたつ内の温度について方程式を立てるのは簡単でした。
しかしパラメータ設定が悪かったようで、まともな制御モデルになりませんでした。

1秒間に温度が400℃も上がってしまう・・・?

しかしせっかく調べたのにまったくアウトプットなしではただの時間の無駄になってしいます。
ですからここに書いておこうと思います。
いったいなにが悪くてこうなってしまったのでしょうかねぇ・・・。

 

制御目的

こたつ内の気温を所望の温度にすることを目的とする
ファン付きのヒーターを想定し、温度が瞬時に均一に広がるとする
こたつには複数の人が足を入れていて、空気の一部が常に入れ替わる
つまり一定量の排熱があるとする

操作量

ヒーターの熱量を操作する
元を正せば電熱器にかかる電圧を操作しているが、簡単のため熱量を操作できるとする

制御量および観測量

こたつ内の気温を制御・観測する
通常のこたつは赤外線により暖かさを提供するものである
しかし考案するこたつは気温を管理する
1℃単位でこたつ内の温度を制御できるような次世代の(オーバースペックな)こたつを考える

外乱

別の熱源が出現することを外乱とする
ネコがこたつに入って来る

制御モデルの数式化

①熱源が放出する熱量
②空気の流れによる排熱

これらによりこたつ内の気温が決定する
以下の2つの式を用いる

熱力学第一法則

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仕事と温度の関係

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制御モデル

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①熱源が放出する熱量

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②空気の流れによる排熱

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以上を合わせるとこたつ内の気温の微小変化は以下のようになる

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物理パラメータ

こたつ内の空気量

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空気の平均分子量を28.8とすると

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ヒーターの出力は市販のこたつで300W程度

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ここで意味不明なことが起きます
1秒間に温度が409℃も上がってしまう
そんな馬鹿な・・・

そこでリサーチをかけてみます
こたつの特性として
①温める空気の量が少ないこと
②密閉性が高いこと
これらの事実から、こたつのヒーターは電源がOFFの時間が長いそうです(「こたつ 省エネ」などで検索すると出ます)

この時点でどうしようか迷ってしまいました
しかしとりあえずパラメータを代入して特性を見たいと考えました

 

設計用モデル

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ちょっと出力を与えただけで気温が一気に高くなってしまいます
ON/OFFを頻繁に切り替える制御を扱うのは授業のレベルを超えています(というよりもただ面倒)

というわけで諦めました
たぶん題材として向いていなかったのかなと思いました

ポジティブに考えるならこたつが省エネに優れていることが数学的にイメージできたのではないでしょうか(笑)
こたつは消費電力○○Wと書かれていますが、数字ほどに電気を食っていないと思います
こたつの密閉力を上げればOFFの時間が長くなり、省エネ効果アップです
みなさん、冬はエアコンではなくこたつを積極的に使用していきましょう!