理系院卒のネットワークなブログ

意外なところに「つながり」ってありますよね

テンタライブ@闘会議2019現地レポ - ヒメとイイダが作る新時代

 今年も現地参戦してきました、スプラトゥーンの音楽ライブイベント。2018年のタイトルは「ハイカライブ」でしたが、2019年のタイトルは「テンタライブ」。今年も最高に楽しかったです。現地で見てきた感想をいろいろな角度から書いていきたいなと思います。

 

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公式動画(https://youtu.be/ZbmAW-gYVdM)のキャプション

 

セットリスト

テンタクルズなし

1. Inkoming!

2. Chip Damage

3. エントロピカル

 

テンタクルズ登場

4. ナスティ・マジェスティ

5. リップル・リフレイン

6. ウルトラ・カラーパルス

7. レッド・ホット・エゴイスト

8. ミッドナイト・ボルテージ

9. フレンド・フロム・ファラウェイ

10. フライ・オクト・フライ

11. フルスロットル・テンタクル(Octo)

一曲ずつ振り返り

 今回はカウントダウンからスタートしました。これがあると徐々にボルテージが高まって、ライブが始まるぞ~!というモードに入りましたね。特に合図があったわけではありませんが、客席からは自然と声が出ていたのも印象的。

 そしてお決まりのハイカラニュースのフォーマットからスタート。テンタクルズのライブは今後もこの始まり方をしていくんですかね。今回はテンタクルズがまだハイカラスクエアにいて、マクハリまでスーパージャンプで飛んでいくとのこと。

 その間は”仲間”たちが間をつないでくれるということでバックバンドの面々がアップで映されます。ヒメが”仲間”と言ったときに「どのキャラが出るのだろう?」と思ったのですが、バックバンドが仲間とはちょっと驚きました。

 そこからバンドアレンジの演奏が始まります。バンドアレンジは3曲。バンドの方がみんなめちゃくちゃ楽しそうにノリノリに演奏していて、こちらもそれにつられてヒートアップしていきました。

1. Inkoming

 スプラ2のメインテーマからスタート!一発目にぴったり。実は前回のハイカライブでは演奏がなかった楽曲。バトルBGMでもあるのでみんなが何十回も何百回も聞いた一曲ですね。

 バンドのみの演奏ってどんな感じになるのだろうという疑問を一発でねじ伏せる圧巻の始まり方でした。バンド風にアレンジされた楽曲はただただカッコイイの一言。度肝を抜かれました。

2. Chip Damage

 Inkomingからそのまま繋いでChip Damageにイン。スプラ2のバトルBGMで、2018年4月に追加された楽曲です。

 ノリノリの楽曲で、客席からは自然と「オイ!オイ!」の合いの手が。オリジナルはサビで鳴り響く電子音が印象的ですが、バンドアレンジではキーボードが効果的に効いていました。

3. エントロピカル

 Chip Damageは短めに終わり、全く音楽を止めずにエントロピカルへとつないでいきます。繋ぎのアレンジが神がかっていました。2018年10月に追加されたかなり新しめの楽曲ですね。アップデートお知らせビデオのBGMになっていたので、僕はその印象が強い一曲です。

 オリジナル楽曲では女性ボーカル+だみ声が特徴的な楽曲です。サビの「オーオオーオー・・・」がめちゃくちゃ盛り上がりました。ドラムの方が笑顔で思いっきり口を開けていたのが印象的。

4. ナスティ・マジェスティ

 オクトエキスパンションのテーマ曲に乗ってテンタクルズの二人が登場!今回のライブにふさわしい一曲。合図などはまったくなかったのですが、最初の「Na Na Na…」のあとの「ぷらすてぃ!」を観客が全力で叫ぶ!素晴らしく統率が取れて感動しました。

 そして下からゆっくり上がってくるテンタクルズの二人。そう、「上がってくる」んですよね。ARライブなので映像でそう見せているだけなのですが、完全に上がってきているようにしか見えない。素晴らしい。

 そして上がってきてからヒメとイイダの見た目がいつもと違うことに気付きます。ヒメの髪の毛とタイツは青色、イイダの触手とタイツは赤色でした。それをみて、ヒメのピンクとイイダの緑でペンライトを振っていた観客が、急いで青と赤にペンライトの色を変えて、徐々に客席の色が変わっていくのが素敵でした。僕も急いで色を変えました。

 バンド演奏のときも音声によるコーラスが入っていたのですが、やっぱり二人が踊りながら歌うと迫力が違うなあという感じです。後半は二人から煽りがあって、サビの部分はNa Na Na…の合唱タイム。自分らが歌うNa Na Naにヒメがラップを被せてくれるのがまた大興奮の体験です。この楽曲はとにかくヒメのラップが最高でした。スーパーカッコよかったです。シメのキメポーズまでバッチリ!

5. リップル・リフレイン

 ナスティ・マジェスティの最後でしれっとヒメとイイダの色が戻ったので、2人が挨拶をしている間に急いでペンライトを修正(笑)。このリップル・リフレインはフェス戦のBGMで、前回のハイカライブでも演奏された楽曲です。全く同じだったとしても盛り上がること間違いなしなのですが、アレンジが少し変わっていて素晴らしいファンサービスだなと思いました。

 テンタクルズの楽曲に珍しく、二人でお揃いのダンスを踊るのがめちゃくちゃ可愛い。前回も演奏されたお馴染の曲なので、振り付けまで覚えている人も多かった印象です。途中で入る、イイダがヒメをサポートするような演出が尊い

6. ウルトラ・カラーパルス

 フェス時のハイカラスクエアのBGMです。こちらも前回のハイカライブからの続投。入り方が本当にカッコイイ。

 観客はサビの「Hey Hey」に一発目から合わせていきます。ぴょんぴょんするのがとっても楽しい!毎回やってほしい一曲ですね。ヒメの王冠ぴょんぴょんがずる過ぎる…。

 イイダのDJプレイも盛り上がります。後ろに立っているイイダと目を合わせるヒメも尊い。最後はイイダが掃けて肩掛けのキーボードを装着。次の曲の準備にかかります。もう次に何が来るかわかる観客たち。

7. レッド・ホット・エゴイスト

 イイダが準備をしていたので、間髪入れず演奏がスタート!フェスマッチのBGMです。前回もやったので二回目の演奏。観客からかかる「オイ!オイ!」のコールと、サビ前の「タン、タン、タン!タンタン!」のリズムをペンライトで合わせにいくのが楽しい。

 イイダがキーボードを弾けるというのは前回で明かしていたので驚きは少ないものの、ヒメの高音ボイスとイイダの演奏のマッチがカッコいい。

 そしてここで驚きだったのが、楽曲の途中でバンドのメンバー紹介がありました。今回のライブを象徴する一場面だったと思います。これについては後半詳しく書きます。

ドラム:小島”じんぼちゃん”億洋さんhttps://twitter.com/jimbo_chan

ベース:安達さとしさんhttps://twitter.com/daaaatchi

キーボード:鈴木栄奈さんhttps://twitter.com/apple_na_chi

ギター:高慶CO-K卓史さんhttps://twitter.com/kokei_takafumi

  紹介されるタイミングで4人はそれぞれパフォーマンスを見せてくれました。その演奏にヒメとイイダが合わせているのも最高でした。

 そしてこのあとヒメがイイダを紹介するのが最高なんですよね、2人と4人を分け隔てなく紹介して、6人で作っているライブなのだと示したこと。素晴らしい演出でした

 イイダが紹介されるときに、レッド・ホット・エゴイストのメロディーラインを演奏し、自然に曲に戻っていくところもカッコよすぎでした。前回と同じ楽曲をこのような使い方をすることで活かしていくという工夫が鬼アツでした。

8. ミッドナイト・ボルテージ

 ここでヒメが「ちょっとフンイキ変えてくぜ!」と宣言。イイダも「新境地ですね♪」と返します。

 二人が一旦掃けます。バックバンドがイントロを演奏している間に、まずは着替えたイイダが下から登場。イイダのソロボーカルが艶めかしくて美しい…!

 そしてヒメが下から思いっきり大の字で飛んできてステージへ登場。悶絶する可愛いさ。新衣装もとんでもなく可愛い!新曲なので初めてみるダンスだったのですが、ヒメが今までとは違った雰囲気のダンスを繰り出していてひたすら可愛かったです。まさに新境地という感じ。

 曲自体はオクトエキスパンションのラスボスへの道でかかるBGMです。サビの「オーオーオーオーオオオ」の大合唱。そこにヒメがラップを被せるのですが、ヒメが手を振って「もっとこいよ!」みたいな煽りを入れてくるのが最高。「オーオーオーオーオオオ」は意外と高音で原キーの声は出せませんでした。でもめちゃくちゃ楽しかったので毎回やりたい!一発で大好きになりました。

 コーラスをするイイダと、ラップをするヒメという構成がとても活きる楽曲でした。僕の中では今回のベストバウトです。2人が揃って踊るパートがところどころあったのも痺れました。ちょいちょい入れてくるのがずるいんですよねぇ。

9. フレンド・フロム・ファラウェイ

 イントロのキーボードが数音なった時点で大歓声。オクトエキスパンションのED曲です。テンタライブ初のしっとり楽曲ということでまさにまさに新境地。うっとりと聞き入ってしまいました。

 サビのペンライト横振りもまた新しい。とってもぴったりで感動しました。ヒメが足まで上げて体全体を使って手を振ってくれていたのがとても尊かったです。しかも二人はサビの間中手を振ってくれていたので観客席が逆に振ってしまう心配がないのも良かったです。手を振っている間も細かいパフォーマンスを入れてくれて完璧。

 一回目のサビの終わりから始まるヒメの優しいラップも新境地。こんなラップもできたのねセンパイ…。シオカラーズのあさってColorもしっとりとした曲なのですが、また違う方向性なんですよね。そして二回目のサビが終わった間奏の時間は二人の今日一番のイチャイチャタイム。あー尊い。だけどこの2人ってこんなことするんだっけというのはちょっと思いました。

 「この曲歌ってっと、はじめてイイダと出会ったときのこと思い出しちゃうんだよな・・・」「エッ!?なんですかそれ、やめてください!泣いちゃうじゃないですか……!」あー尊い。全てが尊い

10. フライ・オクト・フライ

 曲に入る前に「オッオッオー!オーオオーオー!」の練習タイム。こういうところが本当に親切で優しいです。優しいけどヒメちゃんがめちゃくちゃ煽ってくる(笑)「ネットのみんなも!」と煽ってきたのも、全方位への配慮があって優しいですよね~。

 ラスボス戦のBGMで、かつ「オッオッオー!オーオオーオー!」はオクトのステージクリアのジングルで毎回聞いていた部分でもあります。誰もが歌えて、ペンライトも合わせて振りやすい、素晴らしい設計でした。オクトのラスボスは何度もやり直してルートを掴んでいくステージだったので、曲が自分の記憶に刷り込まれていました。この曲もめちゃくちゃ楽しかったので毎回やりたい!と思いました。

 ほぼ全パート二人揃ったダンスが見れる一曲。手と足を同時に上にあげる仕草がペンライトを合わせやすく、とにかく可愛い。そして曲の最後でヒメが反復横跳びをしていて「あっ」となります。

11. フルスロットル・テンタクル(Octo)

 イントロが流れたところでヒメが「次が最後の曲だ!」と宣言。「このノドオマエラにくれてやるぜ!」というセリフにはクラクラです。そしてさらに反復横跳び。来るぞ~という予感が高まります。

 このとき今までになかった演出が入りました。ARスクリーンの上に普通のスクリーンがあって、ここまではカメラを通した映像が流れていたのですが、初めてARスクリーンと連動した表現になりました。ヒメのバズーカは観客席の方を向いていたので、ヒメの顔が見えません。そこを上のスクリーンで補っていました。「マ〃―――」に会わせて客席に放たれる煙幕。仮装と現実がリンクする演出に鳥肌です。

 撃ち終わったらすぐにフルスロットル・テンタクルへ移行。これはラスボス戦のBGM遷移の流れと一緒。そして曲名にテンタクルと入っているので二人のライブの締めにピッタリ。フェスマッチのBGMとして前回は流れたのですが、今回はまた違った想いでこの曲を聞けました。アレンジも全然違いましたしね。

 前回と同じく、サビで二人が手を回す動作をするので、観客も全力でペンライトを回します。腕が限界に近かったのですが、気合いだけで回し続けました。

 途中で二人が全力でハイタッチ!あー尊い。そのあと、「まだまだいくぞ!」というセリフが入り、金銀のテープが飛んで、最後の大サビ。最後の最後まで腕を回すことを要求されてもうパンパン。だけど周りのみんなも全力でついていっていたので僕も回し続けることができました。

 2人が退場するシーンで後ろを向いたふたりが拳をコツンとやるのが、最後の最後までニクイ!「やってやったぜ」みたいな感じでしょうか。あー尊い

 最後ヒメとイイダの挨拶が入ったので終わりだったわけですが、イマ・ヌラネバー!をやっていないのでアンコールがあるのではとみんな期待していたのですが、願い届かずでした(笑)

考察

 ここからライブの構造的なところを考察してみます。

①テンタクルズの”単独”ライブ

 去年のライブの名称は「ハイカライブ」で、シオカラーズとテンタクルズが出演することはほのめかされていました。対する今年は「テンタライブ」。名前だけみれば、テンタクルズの単独ライブということになります。そして本人たちも初っ端で「あたしらのライブ」と言っていました。

 始まる前は、テンタクルズだけでライブはやらないのではないかと思っていました。助っ人としてシオカラーズや8号やアタリメが出るのかななんて一緒に参戦した友達と話していたほどです。しかしその予想を鮮やかに裏切られました。テンタクルズは単独でライブをやりきりました。いや、正確にはバックバンドの4人との組み合わせでしたね。それは後ほどまた語ります。

 スプラ1から圧倒的な人気を誇るシオカラーズ。スプラ2のヒーローモードにも登場したので、まだまだ固い基盤を持っています。どのように世代交代を演出していくかはすごく興味がありました。

 前回のハイカライブでは、テンタクルズはシオカラーズの前座でした。先輩に対するあこがれをところどころで覗かせていました。しかし今回はシオカラーズのシの字も出さず、徹底的に「アタシらのライブ」というところにこだわっていた印象があります。オクトエキスパンションの楽曲をひっさげ、バラード楽曲にも手を出すなど、テンタクルズの全力というものを見せてもらった気分です。

 左右対称感のあるシオカラーズに対して、デコボコなテンタクルズの二人。ヒメとイイダだからこそできる演出にこだわり、世代交代をやってのけた印象がありました。ヒメとイイダの魅力をものすごく深めるライブだったと思います。

②ARライブの技術追求

 前回のハイカライブと違って、今回は最初にバックバンドのみの演奏が入りました。演出的に必須ではなかったと思います。今回バックバンドが演奏した曲目を、テンタクルズがやってもよかったわけです。

 見ているときは深く考えていなかったのですが、バックバンドの存在感をアピールし、ARライブの新たな境地を探っていく演出を試していたのかなといまは思います。最初にバンドのみの演奏があったからこそ、バンドのメンバーが目立ち、ヒメが途中でメンバー紹介をやってみたのが自然な流れになりました。あのメンバー紹介、さらっとやっていたように見えたのですが、少しのズレも許されない高度な演出だと思いました。バーチャルとリアルの融合。あれは今回のライブでのチャレンジの1つだったのではないでしょうか。

 また、ヒメがオクトエキスパンションのラストで放った声のキャノン(正式名称は…?)。現実世界と仮想世界を繋ぐ面白い演出でした。技術を常に追求し続ける姿勢を見せてくれました。

 僕の個人的な話をするならば、2回目の参戦だったということで、「ヒメとイイダが目の前にいる…!」という感動は去年よりは薄れていました。しかし、今後も現地ならではの新しい経験ができることを期待して、ライブに足を運ぶことになるのだと思います。ARライブのジャンルには初音ミクという先駆者もいますが、スプラトゥーンはこれからもこの舞台で新しい表現を追求し続けてくれるのだろうと確信しています。

③一度きりの特別感

 スプラトゥーンの音楽ライブは毎回ゲームの内容とリンクしています。今回はオクトエキスパンションの追加後ということで、オクトのBGMや演出をふんだんに取り込んでいました。ヒメの必殺技の演出を入れられるのも今回ならではですよね。

 前回のハイカライブから1年が経ちました。その間、あの演目が使い回されることはありませんでした。舞台と機材とバックバンドが準備できれば、ソフトウェア自体は再利用可能で、使い回すことで経済的に得をするという戦略も採れます。しかし任天堂はそれをしませんでした。

 どういう理由でこの判断に至ったのかはわからないのですが、ファン目線だと1回しかないという特別感を味わえます。「この演目は闘会議2019で行われたものと同じです」というのはやはりチープ感が出てしまう。コンテンツをむやみに安売りさせない。すばらしい姿勢だと思います。今回のお客さんの数は確実に去年よりも増えていました。もはやニコニコの力を借りなくても、単独で人をたくさん集められるコンテンツになっているのではないかと思います。

終わりに

 ライブに行って楽しめるだけでなく、ここまでいろいろ考えさせてくれるとてつもなく良質なコンテンツがスプラトゥーンの音楽ライブです。本当に大好きです。

 前回のハイカライブの感想とときに書きましたが、ベースにはゲーム音楽であるということがやっぱり大きいのだと思います。ゲームで何回も聞いている音楽だからこそ、一発限りのライブでもみんなで一体となって盛り上がれると思うのです。

 

 

去年の現地レポも合わせて是非。 


 

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