企業系ゲーム攻略サイトについて新しい発見のある出来事が起きたのででここに書いておきます。簡単に書くと下記のような時系列です。
1.自分が楽しんで遊んでいるソーシャルゲーム(ゲームXとします)に関する企業系攻略サイトの更新がストップされた。ユーザが減りPVがとれなくなったためと思われる。
2.大規模なイベント・キャンペーンによってゲームXに一定数の人が戻ってきた
3.企業系攻略サイトが最新情報を載せないことに困っている人が観測された
論点は4つあります。
①企業系攻略サイトを必要とする人々のニーズ
②企業系攻略サイトが撤退した=そのゲームは下火であるという認識
③更新がストップしたのに検索トップに居座り続ける企業系攻略サイト
④企業系攻略サイト以外から情報を探さない(探し出せない)人々の存在
①企業系攻略サイトを必要とする人々のニーズ
企業系攻略サイトに対してゲーマーたちが抱く印象は、ネガティブ寄りだという肌感覚を僕は持っていました。薄い情報・間違った情報を広めてしまったり、完全網羅できないところは調査中でごまかしたり、コピペ問題があったり。自分が使わないだけなので、彼らがどういうサイト運営をしていようと困ることは少ないのですが。
ゲームXの騒動を通して、企業系攻略サイトの存在を必要としている人々の姿をはっきりと観測することができ、彼らの想いを垣間見ることができました。Twitterで観察をしていて、必要としている理由は主に2つあるかなと思いました。
1つはガチャを有するソシャゲの特有の問題で、リセマラをするときの判断材料にするというものです。リセマラは先駆者のもたらす情報に頼るしかないので、これは考えれば当たり前です。ガチャがある以上リセマラはなくなりません。新規で入ってくるユーザがたくさんいるのなら、リセマラ情報が求められるのはわかります。
2つめはソシャゲをやるにあたって頭を使ってあれこれ考えたくないという人たちがいるということです。ゲームXはパーティ編成が肝のゲームで、編成を考えるが楽しいところだと僕は思っていました。しかし、パーティ編成がめんどくさいから誰かが考えてくれた編成を知りたいという人たちが、企業系攻略サイトを必要としているようでした。これは自分のゲーム観とは異なるので面白いなあと思ったところです。
②企業系攻略サイトが撤退した=そのゲームは下火である
企業系攻略サイトはお金を稼ぐために運営されているので、お金にならないと判断されたゲームタイトルからは撤退していきます。企業系攻略サイトが撤退したゲームは、廃れているゲームという烙印を押されてしまうのはしょうがないことだなと思います。
本来はゲームあっての攻略サイトなのに、なんだか立場が逆転しているようで、これも面白い現象だなと思いました。仮に、企業系攻略サイトの影響力があまりにも大きいのであれば、ゲームメーカーの方から「撤退しないでくれ」とお願いをする、なんてこともあるわけじゃないですか。(自分は聞いたことないですが)
③更新がストップしたのに検索上位に居座り続ける
企業系攻略サイトはSEOがとても強いです。ゲームメーカーが提供する公式サイトよりも検索上位に表示されることさえあります。ゲームXにおいても、何か月も前に更新がストップしているのに、企業系攻略サイトが検索の上位に表示されている状態が続いています。
個人ブログなどで情報を発信してくれている人はけっこういるのです。しかし、SEOで企業系攻略サイトに勝てないため検索の順位が高くならず、せっかくの最新情報が埋もれてしまっています。情報を提供しようとしてくれている人にとっても、情報を欲している人にとっても損な状態を生み出してしまっているわけです。
本当にユーザのことを想うのでしたら、企業系攻略サイトは撤退したゲームのページはすべて閉じてしまうのが良いのでしょう。ソシャゲはアップデートが続いていきますから、古い情報は価値が下がっていきます。
しかし企業系攻略サイトの側からすると、少しでもPVが稼げるなら作った資産を自ら閉じてしまうのは経営判断的に間違っています。撤退したゲームのページが閉じられることはあまりないのでしょうね。
④企業系攻略サイト以外から情報を探さない(探し出せない)人々
「企業系攻略サイトが更新を止めているから、情報が全く手に入らない」という趣旨の発言をしている人を多く観測しています。この手の発言をする人たちにとっては、ゲームの情報は企業系攻略サイトの中にしかないものということでしょう。興味深いです。
Twitterのプロフィールやツイートから推測するしかないのですが、若い人が多い印象なんですよね。企業系攻略サイトがなかったころは、個人ブログに情報を載せているひとは多かったですし、有志のWikiが活発に更新されているゲームもありました。もちろんいまもあります。そうした情報がこのネットの広い海のどこかにあるということをそもそも知らない世代が生まれてきているのだなと感じています。
「最近の若い者は…」という論調になってしまいそうなのでこの話はここで終わりましょう。時代と価値観は移り変わるものですから。
企業系攻略サイトに批判的になりがちになってしまいましたが、彼らの存在はゲーム業界のエコサイクルの一部であり、必要としている人の存在が見えたのは面白かったです。
誰が悪いわけでもなく、強いて言うなら「PVがカネになる」という仕組みの負の側面がここでも見えてしまっているだけでしょう。企業系攻略サイトというのはまだまだ歴史の浅い業態です。ゲームメーカー、攻略サイト運営会社、そしてユーザが三方良しになるような仕組みを模索し続けてほしいものです。
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