将来の自分用のメモもかねて、コロナウイルスの影響で僕が働いているゲーム業界にこういう変化がおきているよ、ということを書き残しておこうと思います。
会社経営
まずは会社全体についてのプラスとマイナスです。
プラス
ゲームそのものの売り上げは落ちていません。据え置き機で遊ぶコンシューマゲームも、スマホで遊ぶソーシャルゲームも両方ともです。本当にありがたいことです。
本格的な自粛ムードになってからの売り上げはまだ見えていませんが、おそらく売り上げが伸びているところもあるのではないかと思います。たとえば3月20日に発売されたどうぶつの森は、Nintendo Switch用ソフト史上最多の初週販売本数を記録するなど、かなり売れ行き好調みたいです。
マイナス
株価は当然下がっています。市場全体がそうですからね。
株価だけならいいのですが、潜在的なお客様のお財布事情が悪化し、ゲームを買い控えるという事態になると厳しいですね。コロナのせいで経済的に苦しくなってしまう人が、できるだけ減ることを祈っております。
コロナ対策として特別な出費は発生しています。オフィスを整えたり、社員への補償などです。
ゲームだけを作っている企業と、そうではない企業があります。僕の会社は後者のタイプです。後述しますが、ゲーム販売以外の事業は軒並み苦しくなっています。
現場仕事
次に僕個人の働き方などについてのプラスとマイナスです。
プラス
在宅でのリモートワークがしやすい業種です。僕もほとんど在宅勤務になりました。電車に乗らなくてよいのは非常にラクですね。
取引先との打ち合わせをできる限りTV会議にせよという方針なので、わざわざお互いのオフィスに移動する手間が省けました。他業種の方も対応してくれているので、社会全体の変化を感じます。
もともとリモートで働いている方へ業務を発注することが多い業界です。たとえばフリーのイラストレーターさんは自宅で働いている方も多く、そういう人たちはあまり影響を受けていません。いつも通りのペースで仕事を受けてくださるのが本当にありがたいです。
マイナス
ゲーム開発はリモートでもやれるのですが、実機で手触りを確認するときなど、対面でやりたい業務が制限されているのは苦しいことです。もしかしたらこの時期の開発がスケジュール通りに進まず、発売が延期になるゲームがあるかもしれませんね。
ピンチ:ゲーム関連事業
ゲームはそもそも俗に言う「不要不急」のものです。これは平時から僕らが意識していることで、僕らの仕事はあってもなくても誰も困らないものなのです。たまたま家でできる遊びなので被害を受けずにやってこれているというだけのことです。
例えば、ゲームのグッズ販売は大きく落ち込んでいます。こんなときにわざわざ買いに行くなんてことをしないですからね。もちろんオンライン販売は好調ですが、店舗経営にはかなり支障が出ています。
ゲーム関連のイベントはほとんど中止になっています。世界で一番大きなゲームショウであるE3が中止になってしまいましたが、ここで発表予定だった新規タイトルはたくさんあるはずです。
E3のように大きくなくても、ファンを集めたイベントはいたるところで行われていました。それが全部なくなってしまうので、経済的な打撃を受ける人たちは多いでしょう。
e-sportsにも逆風です。イベントが開けないので大会ができません。もちろん、オンラインに切り替える対応をしているところもありますが、参加者が一か所に集まることで生まれていた特有の熱気が生み出せません。ちょうど脂がのってきた時期だったので、痛いところです。
チャンス:ゲームを拡大せよ
このご時世、ゲーマーにとっては実はあまり辛くないよという声を聞きます。僕もそうですが、ゲーマーは息をするようにゲームをするので、朝起きてからすぐゲームを始めて、気づいたら夜だったなんてことはザラです。ずっと家にいることなんて簡単なのです。
ゲーム業界にいるとそういう人ばかりと付き合うことになるので肌感覚がマヒするのですが、世の中でそういう人は少数派です。1日12時間ぐらいゲームをしていると言うと驚かれることに驚いたりしてしまいます。
自宅にいなければならないといういまの状況は、ゲームをやったことがない人にもゲームを始めてもらうチャンスだと思っています。いろんなジャンルがあるわけですから、どこかでハマる体験をしてくれる可能性はあるはずなのです。
リングフィットアドベンチャーのヒットが記憶に新しいところですが、体を動かすゲームというのもあります。外に出られない人たちに向けて、家で運動しようというメッセージを投げかけられるのはチャンスといえるのではないでしょうか。
マインクラフトやどうぶつの森のオンライン機能で、バーチャル空間で人々が集まるという事例も多く聞かれるようになりました。直接顔を合わさなくても、ゲームの中で一緒にいることができる世界です。
ゲームというものの定義を拡大し、こんなご時世だからこそ社会に貢献できる方法を考えていきたいものです。
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おすすめのゲームはこのへんに書いています。一緒に乗り切りましょう。